うちの子が小さいときのアルバムやビデオを見ていると、
たびたび彼女のエプロン姿が登場しています。
ホットケーキを焼いたり、サラダの材料をまぜたり。
画像の中の娘は、はりきったいい顔をしています。
平日はバタバタしている我が家でしたが、休みの日はキッチンで心ゆくまでお手伝い(?)
してもらっていました。
しかし、小さな手に台所道具は大きすぎることが多く、思うように力が入りません。
子どもサイズの道具がほしいなと思って作ってみたのが、この「さかなへら」です。
小さな手でも握って使いやすいように、少しほっそり短めになっています。
すでにうちの子は、おとなのサイズの道具も上手に使えるくらいに成長しましたが、
今は親子関係なくしゃもじとしても使っています。
磯野梨影
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*「さかなへら」の素材について
(作り手の井上さんに解説していただきました。)
木の種類は、3種類。クルミ、カタスギ、シラカバを用意しています。
□ クルミ
主に日本や中国が産地です。
アメリカやヨーロッパではウォルナットがこれに相当します。
木材の中では結構軽く、他の木には見られないような細かい木目が特徴で、
非常に柔らかい肌触りをしています。
使い込むことで深い色味へと変わっていきます。
無塗装の状態では結構白っぽいのですが、
オイルを塗りこむだけでも他も木材に比べて濃い色になりびっくりします。
□ カタスギ
日本や中国が主な産地です。
別名「アズキナシ」と言われています。
『堅杉』なイメージですが、サクラの仲間です。
結構硬いのですが、加工すると表面は綺麗なスベスベになります。
材料としては、芯材と辺材の色が明瞭で、
そのコントラストがとっても綺麗な材料でもあります。
□ シラカバ
やはり日本や中国が主な産地です。
カバにも色々な種類がありますがその中でも色白なものです。
(通常、カバと呼ばれる材料は赤味が強いです。)
今回は白い材料ということであえてシラカバを選択しました。
結構硬いです。
オイルを塗るとやや黄色味が強くなります。
3種類とも日本にある木を素材に選びました。
最近はウォルナットやチェリー等が人気のようですが、
外国の材料はどこか堅いイメージがあります。
子どもが使うならやっぱり優しい方がいい、と柔らか味のある木材にしました。
また、料理をするときに気持ちいいよう、見た目にくどくなく、
使用していくなかで、あまり黒くならない材質を選びました。
★仕上げについて
食品につかう道具なので、無塗装のままで仕上げています。
使い始めやお手入れの時、オリーブオイルなどの食用油を塗っていただくと、
長持ちします。
使い始めは水分を含むと毛羽立ちが生じたりします。
乾燥後に240番程度のサンドペーパーで磨いて頂くと、表面がより滑らかになります。
